「りっつんブログ」というブログが好きで、こないだ初めてコメントをしてみました。実家での母の介護のことをブログに書こうとして行き詰り、りっつんさんのブログで少し心が軽くなりました。
りっつんさんは一冊の本を紹介してくださいました。
『父の生きる』 詩人の伊藤比呂美さんという方が書かれた本です。今日はその本を読んでの私の父に対する思いを考えてみます。
久しぶりすぎる読書
私が最後に本を完読したのは5年くらい前です。夏目漱石の『こころ』でした。若き頃に読んでたのですが、本屋で漱石没後100年みたいなので、素敵な文庫本になってて、どうしても読みたくなったのです。
でも、それも、読み終わるのに一年かかりました( ̄▽ ̄)
文字を読んだらすぐ眠たくなる体になってました💦
本をたくさん読みたいという気持ちはずっと持っているのに、ぐうたらすぎて、毎日毎日スマホでネットニュースをむさぼっていました。頭は完全に”スマホ脳”です。
電子書籍なら、とも思うのですが、目が疲れるのではないか(ただでさえ、老眼進行中)、紙をめくって読みたい、など、昭和的な考えから抜け出せません。
せっかくのお薦めだし、これも何かのご縁です。
最初は楽天市場のポイントで買おうとぽちってたのですが、2日後くらいに、在庫なしの連絡。
『どういうこと?』と思いましたが、ますます欲しい気持ちが強くなりました。
結局アマゾンで購入しました。
父の生きる とは?
カリフォルニアで家族と暮らす筆者は、熊本の実家の母上が寝たきりになり入院。一人残された父上は一人娘に頼るように。そして母上が亡くなり、パーキンソン病を患う父上の面倒を看るため、カリフォルニアと熊本を行ったり来たりの3年半。カリフォルニアの家族を犠牲にして、老親の面倒を看るために駆けずり回り、日本のヘルパーさんなど、大勢の方にお世話になりながらの日々。カリフォルニアにいる間は、父上に日に3回電話して様子を伺う。その間の親子のやりとりや父上のおとぼけな話や愚痴をただ聞いてあげるしかない筆者。どんどん弱っていく父上を看取るまでの葛藤が素直に綴られている。
特に私が共感した部分は、父上の愚痴や体調の悪い話ばかりを聞くのが辛くて、電話したくないと思ってしまう伊藤さんです。正直に、そんな話聞くの辛いと言っても、『他に言える人がいない』と言われれば、黙って聞くしかないと。
私の父も愚痴や文句がすごいのです。介護施設、介護士さん、ケアマネさん、お医者さん、入院してた病院、ご近所さんの噂話、兄たちのこと・・・
伊藤さんのお父様が素晴らしいのは、お世話になっている人たちに感謝し、口に出して『ありがとう』と言えることです。私の父は言ってる?かなぁ。
我が家の場合
1月2月は天候の問題で高校生息子の送迎と、コロナの状況が悪すぎるので、去年の12月初めに帰ったきり帰省してないのです。
息子はもう自転車で通学出来るようになってきたし、コロナは高止まりだし。そろそろ行ってあげないとなあと思います。
でも、心は重たいのです。
今、母はコロナで入院中ですが、一昨日の朝10時ごろ父から電話がありました。
血液検査して異常なければ退院の日程決めれそうだと。それは嬉しいお知らせで一安心なのですが。
今回、母が入院してる病院は保健所が準備してくれた市外の病院らしいのですが、そこに対する悪口というか、あんな病院に入れやがって、的な発想しか出来ない人なのです。
まったく知らない病院なので、ネット検索して評判を鵜吞みにして批判するようなことを私に報告するのです。
だいたい、ネットの口コミなんて信用しないように言ってあったのに、スマホ初心者はどうしてもそれらの悪い話に引きずられます。
病院の評判なんて、悪いことがあった人しか書かないんだから、口コミの点数なんて当てにならないと私が言っても、『いや、優しい看護師さんがいた、とかも書いてる』と言って、そういうのに飲み込まれるタイプ。
母のことが心配すぎて、次兄と病院を見に行ってきたそうです(車で通っただけ)。母に対する情愛が強いのは間違いありません。
母も一年以上寝たきりなので、頭が4割くらい怪しくなっているので、今回コロナで急に入院となり、突然知らないところに連れて行かれ、もしかしたら、認知症がかなり進行してしまっているかもしれません。
『お母さんがかわいそう』ばっかり言う父。病院の先生に
『認知症が進んだらどないしてくれるんや』
と言ったそうです。驚きました。こんなにコロナ禍で医療従事者の人たちが大変な思いで働いてくれてるのに、そんなことを言うなんて。父でも許せなく、やるせなく思います。
だから電話もしたくないし、帰省もしたくないのです。
でも、伊藤さんの本の一説にこんな文があります。
『父の悪いところばかり見えてくる。しかしそれは父の本質ではなく、本質は老いの裏に隠れているのだ。父の本質は、私を可愛がってくれて、自分よりも大切に思ってくれて、私が頼りにもしてきたおとうさんだ。』
『父の生きる』 伊藤 比呂美 著
ここを読んだときにはっとしました。
そうなんです。父は働き者で、母を愛して、私を可愛がってくれてたのです。
我が家は年金暮らしになっても、父が絶対の存在で、父がいなくなったら、破滅の時を迎えるかもしれません。
次兄は長兄が嫌いで、たぶん、母が亡くなれば家を出るでしょう。父も居なくなれば、長兄はどうやって生計を立てていくのか。外で働いたこともないし、友達も小学校ではほんの一人か二人はいたかもしれませんが、中学ではいじめにも遭い、それ以来ずっと独りぼっちなのです。長兄のことは私もよく分かりません。ただ、あまり人に存在を知られたくないと中学生くらいの頃から思ってました。
大人になっても、「父母がなんとかするんだろう」くらいにしか考えていませんでした。
その父母が老いているのです。現実を突きつけられて私は怯えています。
いつかのその時のために、もっと話もしないといけないし、逃れることはできないのです。
暗い気持ちになるばかりですが、この本を読んで、父の悪いところばかり見えるくせに、父に頼り切っている私なんだと気づきました。
私もただただ、父の話を聞いてあげて、心穏やかに過ごせるように、もっと介護の本を読みたくなっています。
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