父が退院して10日ほど経ちました。
おととい、在宅緩和ケアの先生と訪問看護ステーションの方と同時に訪問がありました。
せん妄状態な父
この日は父の調子が非常に悪く、いわゆる『せん妄』状態だったのかもしれません。
医療に詳しくない私が解説するのはおこがましいのですが、YouTubeを見漁った身としての見解は、薬や病状(痛みなど)のせいで頭が混乱し、夢のことなのか、現実のことなのか判別できなくなり、意味が通らないことを話したり、会話が成立しなくなったりすることです。温厚だった人が乱暴になったり凶暴になったりすることもあるそう。
亡くなる2,3週間前になると、『終末期せん妄』というのが現れるらしく、わけのわからないことをわめき出したりするようなので、その時になっても慌てず、落ち着いて、本人の言ってることに耳を傾けて、寄り添ってあげたらいいとのことです。
場合によっては薬や注射で落ち着かせてあげたりできるとのこと。肝に銘じておきます。私のことだから同じように感情的になったりしそうなので。
先生は医療用麻薬の量を増やし、要らないと思える薬を中止したりで、結果、薬の総量は減りました。
手足のむくみや便秘もひどく、おまけに『心臓も悪なってるね』と指摘されました。膝から下のふくらみ具合がすごくて、足なんてコロンとま~るくなってます。
それでも最小限の薬になったので、これで来週まで様子を見ることに。
息苦しそうなのがなんともかわいそうで、『酸素吸入器』も手配してくれました。
今回はゆっくり診て頂き、聞きたいこととかある?とおっしゃってくれたのに、父はとにかく意識がもうろうとしていたので、せっかくのチャンスを逃してしまいました。数日前に自分の今後のこととか聞いてみようかと言ってたのに残念です。私が話を振る勇気もありませんでした。
素敵な訪看さん
先生が帰られた後は、訪問看護ステーションの看護師さんが手厚く話を聞いてくれて、とても頼りになりました。
実は、前日に父一人で1週間ぶりくらいにシャワーしたのですが、父はかなり苦しかったみたいで、風呂場から素っ裸で出てきてリビングのソファーに倒れこみました。
悪いけど、恥ずかしいとか言うとれんから
すまんやで。
とあえぎあえぎ言いました。
そんなにもしんどいのかと驚きました。
訪看さん曰く、
シャワーって顔に浴びせるとき息を止めるし
肺を患っておられる方は
手を上にあげるのも痛いんですよね。
だから、一人でシャワーは無理だと思うんです。
そうだったのか!!
全然、父の辛さを理解できていませんでした。
次回の訪問の時にシャワー介助するからやってみましょうと提案してくれたのに、
元々風呂とかシャワーとか清潔にするとか好きじゃない
息も切れ切れになりながら話していました。
せん妄状態の父の話しはすぐに脱線して飛んでしまい、黙り込むし、居眠りするしで、でもそんな父を優しく労わってくれて、『うんうん、そうやね。』と話を聞いてくれて、なんてすばらしい人なんだと見習うことばかりでした。
ちょうどNHKで訪問看護ステーションの番組を見たので、さらに感銘を受けました。患者さんや家族からのパワハラセクハラなどの問題で事業所自体が廃業になったとこもあるとかの番組でした。
そんなリスクがある中、一生懸命おじいさんの話しを聞いてくれて、優しく導いてくれる。素敵なお仕事だなあ、でも私、理系はどん底ですので絶対になれない職業です。
またまたまた言ってしまった
帰られたのが14時半頃だったので、『さ、お昼ご飯食べて薬も飲んで』と思っているのに『何にも欲しくない』と言ってずっとうなだれてぜぇぜぇ言ってる父。
酸素吸入器の業者さんが機械を持ってきてくれたので、これを吸えば息が楽になるからと、無理やり付ける私とすぐ外す父との攻防戦が始まりました。
食事も食べない、薬も飲まない、酸素は外す。
私も意地になってなってしまい、
なんで?そんなにしんどいねんから酸素吸えばいいやん。
ずっとしんどいままでいいの?
薬も飲まん、お昼も食べん。
そんなことしてたら死んでしまうよ。
お父さん!!
まだまだ一杯やりたいことあるんちゃうの?
もうやれなくなってもいいの?
実の娘だからこそ、普通は言わないことも言ってしまいました。どうして、そんなにやる気がなくなるのか?思いやりのかけらもなく、弱り切っている父を責め立てました。
私はどうしていいか分からず、このあと、父が呼吸困難や痛みで、もだえ苦しみだすんじゃないかと恐ろしくて訪看さんに電話しました。
薬が飲めないので、注射なり点滴なりありますかと聞きました。
お父様が嫌がっておられるなら今日のところはいいですよ。
慣れないので酸素も違和感なんでしょうね。
薬も食事も無理なさらずに。
本当に痛かったら、薬飲むって自分で言いますから。
今日のところは好きにさせてあげたらいいですよ。
『しんどいよねぇ、明日からは飲もうね』って感じで、
焦らなくても大丈夫です。
お父様、頑固な方のようですから、娘さんも無理なさらず、
ゆっくりでいいですよ。
この言葉ですごく安心できて、
『なんであんなに必死で無理やりなことしてしまったんやろ?あんなにぐったり辛そうな、私に怒られてもうなだれてるだけの父に向ってなんてひどいこと言ってしまったんだろう』といつもと同じ後悔の念が押し寄せます(T_T)
このあと、30分おきくらいにトイレに入り、入ったら10分以上出てこない。足元もおぼつかないので、私が台所にいる時に『ドタン』と大きな音がして駆けつけると、ソファに座りそびれて尻もちをついて痛がってる父。
ああ、痛い痛い
怖い怖い
腰を打ちましたが幸い大丈夫そうでした。
食事はとらず、薬もいらない、歯も磨かずで『寝る』と言って部屋に引っ込んで行きましたが、変わらず頻繁にトイレに行くので夜中の3時ごろまで私もうつらうつら。
私は『もう、勘弁してくれ、こういうことがこの先ずっと続くのか~』と恐怖におののきましたが、いつの間にか寝てしまいました。
明け方、父の唸り声に目を覚ましましたが、寝言なのか、お経を唱えてるかのように
ごにょごにょごにょごにょごにょごにょごにょごにょ
と文字通り永遠に呟く父でした。そっとしておきました(´ー`)
朝7時くらいに起きた父はだいぶ正常に戻っており、朝食も薬も飲んでくれました。薬が減ってホッとしていたようです。
介護保険の認定調査員の訪問
その日の10時半に市役所から介護の認定調査員の方と母の施設のケアマネさんが来られました。このケアマネさんは、何も口は出さないけど見守りますってことで来ていただけました。
せん妄状態から抜け出していた父ですが、しんどい・眠い・息苦しいことに変わりはなく、なんとか調査員さんの質問には答えてました。
生年月日・名前・妻の名前・自分で5メートルくらいは歩けるか・手指は動かせるか・足はどこまで上がるか等々
もうろうとした中での受け答えだったので、後はご家族様に聞きますね、ってことで、リビングに移動。
そして、私と次兄とであれやこれやと雑談みたいになりながら父の状態を説明し、帰り際にケアマネさんが『こういう状態なので急ぎでお願いします』と言ってくれましたので、26日頃には結果が出るかなあと思います。本来は1か月くらいかかるようです。
みんなに助けられている
お医者様や看護師さんたち、母の施設の方たち含めて、皆さんにとても支えられているなあとつくづく思いました。こういう方たちがいなかったら、とても在宅介護なんてできません。
父がよく言う『金儲けのためや』なんて思ったらばちが当たります。『仕事ですから』と言って下さいますが、心強いパートナーとして今後もお世話になりますm(__)m
それでは今日もありがとうございました(@^^)/~~~
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